やさいだより           No.167  2000年 10月13日(金)

去年は10月24日に初霜が降りました。
暑さが好きなナス、ナンバン、ピーマンなどは、
前日まではピンピンしていてまだまだ取れそうな勢いなのですが、
霜に当たると、もう途端に萎れて食べられなくなります。

標高の高い佐久では、春は遅霜の心配をし秋は初霜の予想をして仕事をします。
夏野菜の実ものはなるべく遅霜の降る危険性のある5月25日以降に定植するようにしています。
しかし、実際には農業をしてきた6年間でそんなに遅く霜が降ったことはないのですが、
地元の方々の経験による助言は的確で間違いはありません。
しかしまた一方で、トマトは非常に成育旺盛であっという間に大きくなります。
長期間ビニールポットに入れたままでは苗が老化しますから、
5月25日を待ちきれずに毎年5月中旬には畑に定植してしまいます。
そうすると今度は降霜が心配で、不織布のトンネルをかけて苗を守ってやります。
なにせトマトの苗は一度霜にあえばもう全滅してしまいますから。

春はいつも以上に天気予報に注意を払い、気温に敏感になります。
と言うのも、夕方10度以下に冷え込むような時は、翌日霜が降りる可能性が大きいのです。
昨年の春は、定植したばかりのキャベツの苗が霜で80%以上死んでしまいまいました。
前日の夕方随分冷えると思ったのですが、
時期も時期でしたしキャベツはトマトなどの実もの程弱くはないので、
大丈夫だろうとタカをくくっていたのです。夕方冷えたら迷わず苗に覆いをしなければなりません。

今年もそろそろ初霜の時期です。今回がもしかすると今年最後のナスかもしれません。
実ものはなくなりますが、これからは、寒さに当たって一段と甘味を増した葉ものが美味しくなる季節です。
さちこ