2008年11月14日 号
田んぼは9月の長雨と低温の影響で、なかなか稲刈りが出来るほど乾かず、野菜の収穫・出荷にも追われる。そうこうする内にまた雨が降る。もう11月に入ってしまうのじゃないかと、今年の新米はヤキモキしました。田んぼを見た感じでは、昨年よりも少ないのではと予想していましたが、実際取ってみると予想以上の収穫量。期待していなかった分、嬉しさも倍です。頑張った甲斐がありました。

現在は田んぼの面積も広くなり、また、畑の方も忙しいので出来なくなりましたが、農業を始めて6年ぐらいの間、田の総面積が5反歩(約1500坪)までは、刈った稲を木の棒(細めの長い丸太のような感じ)に掛けて干していく「はざかけ」による自然乾燥をしていました。
この辺りでは、短い棒を3本束ねて脚にしたものを、両端と間に一つ二つ入れ、そこに長い棒を渡して稲を掛けていきます。が、初めは棒の組み方もわからず、隣の田んぼの「はぜ」(稲をかけるために木の棒で作ったもの)を見て、「なんとなくこんな感じで組んでいるみたいだ」と見よう見真似で作ったのですが、これが簡単そうに見えて、案外素人には難しいのです。
稲を掛けていったほうが重くなって横棒が持ち上がり、つられて脚の3本の棒も浮いてしまったり、半分以上稲を掛けたところで、みしみしみしっと嫌な音がしたと思うと「はぜ」がぐしゃりとつぶれ、また始めからやり直す事を2・3回続けて繰り返したこともありました。
既にヘトヘトになっているところに、みしみしぐしゃりですから、これは本当に泣きたくなりました。
「はぜ」を作る時、片付ける時、長くて思い棒を肩に担いで何回も往復しました。木が肩の骨に当たって痛かったですねぇ。
ホント、逞しくて男らしいですね、私。なんて自画自賛・・・ん?
兎に角、今年も無事に新米をお届けすることが出来ました。待っていて下さってありがとうございます。

毎年出来立ての新米を食べてみる時は、どんな味になっているか、期待と不安が交錯します。まず色つやを見て、そして一口じっくり味わうと、いつも期待が大きすぎるのか、「もっと美味しいはずなのに、これでは皆さんもガッカリするのでは」と少し不安になります。それでも、水加減を調節しながら3回4回と炊くうちにぴったりくる時があり、食べるとしっかりとした粒々感と噛むほどにじわりと広がる甘味。「よかった、やっぱり今年もおいしい」とようやくホッとするのです。 さちこ